国際情報

百田尚樹氏「日本人は中国とは理解し合えないと肝に銘じよ」

作家の百田尚樹氏

 日本人は、勘違いに基づいた「中国への憧れ」を持っているため、適切な対抗策をとれずにいるのだと作家の百田尚樹氏はいう。勘違いを育む漢文の授業も廃止したらよいとの持論を持つ百田氏が、現実的に今の中国とどう対応すべきかについて語る。

 * * *
 現実的に今の中国にどう対応していけばいいのかというと、非常に難しい。中国は凄まじいスピードで軍拡を続けて、今年、軍事費がとうとう1兆元、約17兆円を突破した。これはあくまで公表数字で、実質的にはその倍近くあるというから、日本の防衛費(5兆1000億円)とは5~6倍の差がついています。

 私は「失われた10年」と言っているのですが、この間、日本が国防費を増やしてこなかったのは非常に痛かった。たしかに兵器の質としては自衛隊のほうが上ですが、今、中国にあの数で来られたら太刀打ちできない。10年前なら日本が「ええ加減にせえ。刀抜くで」と言えば中国もひるんだけど、今はもう通用しないかもしれない。

 もちろん日米安保が機能していれば中国に対抗できますが、日米安保も永遠に続くという保証はどこにもありませんから、日本は今のうちに軍備を増強する必要があります。

 中国が自国にいる大多数の貧しい国民の生活を犠牲にしてでも強引な軍拡をしているのは、日本を数で圧倒して、日本が戦う気力をなくすくらいに戦力差を広げるのが狙いでしょう。だから日本が軍備増強すれば、中国はさらに軍事費を上げてくる。軍拡競争はお互いに無駄な出費ではあるけれど、国を守るためには仕方ないんじゃないか、と思います。

 中国の政府高官が「尖閣は我が国の領土だ」と公言し、なおかつ沖縄までも自分の領土だとメチャクチャなことを言っている。領海侵犯、領空侵犯を日常的に繰り返し、明らかな軍事挑発を続けている。

 日本が防衛費を増やすのは、いわば防犯のため、戦争抑止のためです。

 そのためには防衛費を「GDPの1%」に抑えるというのはナンセンス。この数字には何の根拠もありません。例えば「お父ちゃんの給料が下がったから、家の鍵を減らしましょう」とならないのと同じです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン