脚本家・倉本聰氏の発案で、「大人のための」帯ドラマ枠が新設。第1弾となる倉本氏のオリジナルドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日系にて毎週月~金曜、昼12時30分~12時50分放送中)は、テレビ人専用の老人ホーム『やすらぎの郷 La Strada(ラ・ストラーダ=イタリア語で“道”の意味)』が舞台。そこに集うのは全盛期の映画やテレビ界を支えた俳優、作家、ミュージシャンたち。シナリオライター・菊村栄を演じる石坂浩二を主演に、大スターたちが集結する。
そんな大人に向けた昼の帯ドラマは、早くも話題騒然。全員が口をそろえて「楽しい」と語る撮影の裏話から私生活まで、出演女優の加賀まりこ(73才)が、今この年齢だからこそ話せるエピソードを語る。
◆役の上でもプライベートでも白黒ハッキリ
「あまりにも“やすらぎの郷”が素敵すぎて、見る人が“あんなところないんじゃない?”って違和感を感じられないか心配。だから、ありえないってところで見ていただけたほうがいい」
そう語る加賀が演じる水谷マヤは、言いたいことをズバズバ言うご意見番的な女性。倉本氏が加賀をイメージして当て書きしたという。
「ちょっと天然系のかたが多いから、私にしっかりした役をやってほしいと思って書かれたようです。有馬(稲子)さんも八千草(薫)さんも野際(陽子)さんも共演したことがあるけれど、これだけ年を重ねてから一緒にいるのは、本当に楽しい。普段だとお母さんとかおばあちゃんの役が多くて、私がいちばん年上ってドラマが多いじゃない? そういう意味で年代的に近いかたが多いから気楽になれるし、スタッフも余計なカメラの線とか片付けて足元に気を使ってくださっているし」(加賀)
そんな大女優の“やすらぎ”の瞬間を聞くと、パワフルで大胆な一面も。
「プライベートはパートナーと2人でぼーっと映画を見て過ごしたり、仕事以外で化粧なんてめんどくさくてしたくないから、近所に出かけるときもすっぴん。すれ違ったおばさまたちに“口紅くらいつけたほうがいいわよ”って(笑い)。よけいなお世話だけどね」(加賀)
【プロフィール】
1943年12月11日生まれ。1962年に映画『涙を、獅子のたて髪に』でデビュー。女優として数々の賞を受賞するほか、バラエティー番組への出演や作家として著書の発表もしており活動は多岐にわたる。
撮影/田中智久
※女性セブン2017年4月20日号