テレビの情報番組やワイドショーをつけると、様々な肩書きの「コメンテーター」たちが政治から芸能ニュースまでアレコレと意見を述べている。しかし専門的でもなければ意外性があるわけでもない、どーでもいい“うす~い”コメントばかり聞かされて、視聴者もいいかげんウンザリしてきているのではないだろうか。
舛添要一・前東京都知事の問題以降、情報番組やワイドショーでは政治を扱うことも増えている。ところが、「森友学園」問題では、取材は菅野完氏のようなフリージャーナリストに頼るばかり。
スタジオではコメンテーターたちがわいわいと騒いでは、「国有地払い下げ」への関与が疑われる政治家、国有地を売却した近畿財務局や、小学校設置を認可した大阪府などにはあまり向かずに、籠池泰典・前理事長を批判したり茶化したりするような発言ばかりが目立った。
そうなってしまう背景を、ネット番組「ニューズオプエド」のプロデューサー・アンカーを務めるメディアアナリスト上杉隆氏はこう推測する。
「記者やディレクターらが面倒な取材に出るよりも、コメンテーターを使うほうが制作費、経費が安く済みます。つまり、ギャラの安い事務所のお笑い芸人や、番組で顔を売って講演で稼ぐ評論家だと廉価でベストというわけです」
そんなテレビ局と出演者がもたれ合う関係の末に、「51年間の人生の中で国会中継初めて見ましたね」と『モーニングショー』(テレビ朝日系)で言い放つ長嶋一茂氏が、コメンテーターとして森友問題を語るような不思議な事態が起きてしまうのではないか。