国会では最高裁で違憲判決が出された衆院選の「1票の格差」是正のため、次の総選挙で衆院定数を10減らすこと(選挙区6減、比例代表4減)を決めた。青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県でそれぞれ定数1減となる。
定数削減の6県では、これからサバイバルが始まる。自民王国の青森(定数4→3)、熊本(同5→4)、鹿児島(同5→4)では自民現職の誰かが選挙区を失うというまさに椅子取りゲーム。いずれも長老議員の去就に注目が集まっている。
◆青森:「定数3でも4人当選させる」
青森は国対委員長時代「悪代官」の異名を取った大島理森・衆院議長(70)だ。
「大島先生は悲願の新幹線北海道延伸を実現させ、衆院議長を務めてすでに功成り名を遂げられた。まだ党の比例代表定年(73歳)ではないから、次は比例に回っていただければ選挙区調整は丸く収まる。他の代議士たちはそう考えているが、大島議長は県政の実力者だけにお願いしにくい」(青森県議)
誰も“悪代官”の首に鈴をつけることができないようだ。
青森選出の自民党議員の秘書に対応を聞くと、「地元でもよく聞かれますが、『青森では自民党の4人全員が当選します』としかいえません」と答える。もちろん4人全員が通っても、1人はその後の領地召し上げとなることが不可避だ。