3月下旬に海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦(DDH)「かが」が正式に就役したことをめぐって、中国国防省や中国メディアは「日本の軍国主義の再来」や「日本が海上覇権の確立の軍事的野心をむき出しにした表れ」などと批判している。
「かが」は「いずも」に次ぐDDHの2番艦で、「いずも」とともに海上自衛隊では最大の艦艇。建造費用は1155億円。
「かが」の艦名は今の石川県の古い名前である「加賀」に由来しており、旧海軍の航空母艦「加賀」の2代目となる。
このため、中国国防省の呉謙スポークスマンは「『加賀』はかつての日本軍国主義が発動した中国侵略戦争の時期の主力艦だった」と語ったうえで、「日本がなぜ、このような第二次大戦中に活動した艦船と同じ名前を付けたのかは分からない。これは日本の軍国主義復活の警鐘と受け取ることができる」などと強い警戒感をあらわにした。
中国人人民解放軍機関紙「解放軍報」(3月27日付)は呉氏の発言をなぞる形で、「出雲も加賀も日本の軍国主義時代の主要な空母の名前であり、これを再び使用したことは、安倍晋三政権の軍事的野心を露わにしたものだ」などと論評した。
さらに、2日後の同紙(29日付)でも「日本の軍国主義復活に警鐘」とのコラムを掲載して、スポークスマンと同様の論旨を展開。『いずも』と『かが』を南シナ海に派遣するなどして中国を牽制しようとしていると主張したうえで、「安倍政権の軍国主義復活の野心をほうふつとさせる」と結論づけている。
これについて、香港を中心にインターネット上では「中国はすでに空母を持っており、近く初の国産空母『山東』も就役するのに、中国は海上覇権の野心はないのか」との中国批判のコメントのほか、「習近平は香港の独立を阻止するために軍の派遣を含めて、あらゆる可能性を否定しないと言っており、安倍の軍国主義復活と変わらない」との書き込みも見られている。