最近の刑事ドラマは現職の警察官が観ても「よくできている」と感じるという。それもそのはず、制作の裏側では豊富な知識を持ったプロたちが「警察監修」として携わっているのだ。
4月17日から放送される「月9」ドラマ『貴族探偵』(フジテレビ系)。この作品で監修デビューしたのが、小川己奈夫氏だ。警察官として32年にわたって鑑識一筋で勤め上げたプロフェッショナルは、どのような想いで監修に臨んでいるのか。
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普通はそれぞれの課を一通り経験するものですが、私の場合は鑑識、それも指紋の鑑識ばかり。そういう意味ではちょっと変わり種だと思います。
監修の世界ではまだまだ新米ですが、現在は『貴族探偵』の現場にお邪魔しています。コメディタッチのドラマですが、警察が関わるシーンはシビアに演出しています。最初は私の知識が役に立つか不安でしたが、この作品の現場でも少しアドバイスできることがありました。
鑑識役のエキストラさんは経験者の方だったので、「これまでどういうふうに演じてこられたか見せてください」とお願いしたら、指紋を取る際に粉を塗布する刷毛を壁の上でポンポンと軽く叩くようにやってくれました。ドラマではよく見るシーンですが、実はこれはリアルではない。
実際の現場では大きく優しく、撫でるように左右に動かすのが主流です。そうお伝えすると、「こっちの方が動きも大きくてテレビ映りもいい」ということで採用されました。
また指紋採取では、浮き出た指紋をゼラチンシートに写し取るのですが、取ったあと、シートを光に透かして確認するんです。そうした“鑑識っぽい”リアルな動作を加えてもらいました。監督さんは動きのあるシーンを撮りたいとお話しされていたので、リアルでかつ動きが出るような監修を心がけています。