テレビコメンテーター、放送作家として知られる元参院議員・野末陳平氏が、3月に『老後ぐらい好きにさせてよ 楽しい時間は、「自分流」に限る!』を上梓した。85歳を迎えたいま「好き勝手」に楽しい老後を過ごしているという野末氏が、妻との関係の注意点を語る。
「老後は会社関係の居場所とともに、家でも居場所がなくなる。長年、仕事で空けていたから家はもう女房の城になっている(笑い)。老夫婦で楽しく過ごす、という理想を描く人もいますが、そういう老後を送っている夫婦はごく一部。他人とまではいいませんが、たまたま同じ屋根の下にじいさんとばあさんがいるだけと思うべきです。
老夫婦になれば『二心二体の連合』で、夫も妻もそれぞれ『自分流』の老後をどう構築するか。夫婦が助け合うのは、どちらかが介護が必要になるといったいざというときだけ。なぜ助けるかというと、自分の生活が狂わされては困るからで、施設の入所費用も、女房がへそくりから出してきますよ(笑い)」
妻の「へそくり」に気づかない夫は多いが、野末氏は夫も「男のへそくり」を持つべきだという。国会議員時代に「税金党」を結成し、サラリーマンに不公平な税制を厳しく批判してきた野末氏だけに、“国から年金がもらえるから安心”などとは考えず、シビアな見方をする。
「年金が入ってくる家計の財布のヒモは女房が締めていて、夫の自由にはならない。甘い考えじゃダメ(笑い)」
だからこそ「男のヘソクリ500万円」の必要性を説く。