投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の4月10日~4月14日の動きを振り返りつつ、4月17日~4月21日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は下落。シリアや北朝鮮情勢を巡る地政学への警戒からリスク回避の流れが強まり、日経平均は年初来安値を更新。特に米空母が朝鮮半島に向け航行し、北朝鮮が「いかなる形の戦争にも対応する」と脅すなか、米国が北朝鮮に先制攻撃を行うのではないかとの不安等から日本株市場の弱さが目立つ格好となった。15日の北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年を控え、押し目買いも入りづらい需給状況であった。
また、物色の流れは防衛関連に集中する格好となり、関連銘柄が連日でストップ高を付けるなど個人主体の資金が集中する展開に。もっとも、週後半には防衛関連についても利益確定が強まるなど、値動きの荒さが目立っていた。
今週については、まずは15日の北朝鮮金日成国家主席の生誕105周年を控え、これを無事通過するのを見極めたいところである。緊張が和らいでくるようだと、今週以降の自律反発が期待される。ただし、一気に払拭されることは考えづらく、足元の調整でトレンドは悪化傾向であり、戻り待ちの売り圧力が警戒されやすいところである。
ただし、米国では決算発表が本格化するが、13日に発表されたJPモルガン、シティの決算はコンセンサスを上回っている。利上げやトランプ相場を背景にトレーディング収入が好調だったことから、外部環境が落ち着きをみせてくるようだと、市場の関心は業績に向かいやすく、下支え要因になりそうである。