オリコンのCDアルバム週間チャートで初登場6位にランクイン。ジャズアルバムとしては異例のヒットに、音楽業界が注目している。
3月29日に発売された松田聖子(55才)のアルバム『SEIKO JAZZ』。デビュー37年目にして、聖子が初めてのジャズに挑んだ。
『赤いスイートピー』や『青い珊瑚礁』などを30年以上たった今もディナーショーやコンサートで披露する聖子。今回はこれまでの可憐な曲調とは打って変わり、伸びる高音を封印。ジャズのオーケストラ演奏をバックに、低音を響かせてしっとりと歌い上げる。
ポップスを歌ってきた聖子の挑戦に懐疑的な見方も多く、一部では彼女の“異変”と結びつける見方もあった。
「最近のコンサートは、曲が高音の部分になるとマイクを客席へ向けて観客に歌わせるようなパフォーマンスが目立ちます。ファンの間では“もう聖子ちゃんは高音が出せないのでは”といわれていました。だから高音をあまり使わず、低音の曲が多いジャズに転向するんじゃないかといわれていて…」(聖子の長年のファン)
だがフタを開けると意外や意外。今作がジャズ業界で好評を博しているという。ジャズ評論家の後藤雅洋さんが解説する。
「個性やキャラクターのある歌い方が好まれるジャズは、聖子さんにうってつけだったのかもしれません。スタンダードなジャズやボサノバをただカバーしているだけではない。声に聖子さんの個性が出ていて、素晴らしい出来だと思いますよ」
ネットでも、今回のジャズ進出を喜ぶファンの書き込みが溢れている。
《お洒落で耳心地のいい落ち着いた曲調が新鮮ですね。しかも聖子ちゃんらしさも残っているから嬉しい》
《すごく素敵!年齢を重ねたからこそ、今の厚みのある聖子ちゃんの声にぴったりと合うのかも》
3月30日放送の『SONGS』(NHK)で、聖子はその意気込みを語っている。
「今年でデビュー37年目になるんですけども、その中で素晴らしいジャズに触れる機会もたくさんあって(中略)いつか私も機会があったらジャズの歌を歌ってみたいなと思っていたんですけども、それが今回このように実現したということですね」