笑いの殿堂、浅草演芸ホール。落語や漫才、コントなどに大笑いしたくてやってくるお客さんが、最初に笑顔になるのはチケット売り場。なんとかわいい猫が出迎えてくれるのだ。
「いらっしゃいませ。今日もおもしろい演目がたくさんですよ、楽しんでってね」
浅草の隠れた名物、受付猫のジロリは昨年の夏からここに勤務。ネズミ被害に悲鳴を上げた社長は猫好きの受付嬢のまさえサンに相談して、猫を雇うことにしたという。
「僕はいわゆる保護猫で、演芸ホールに出演しているバンドメンバーの紹介でここにやってきたんだよ」
保護されたとき、ジロリは推定1歳。まさえサンが面接に行ったとき、ぴょんと膝に乗ってゴロゴロと喉を鳴らしたのが採用の決め手だった。
「だから昼間の受付は副業で、本業は夜に行うネズミ退治。24時間ここで働いているんだ」と自慢するジロリだが、夜の業務で疲れるのか、昼間はほとんど寝てばかり。
「でも、ぼくに会いたくて演芸ホールに足を運んでくれるお客さんもいるし、なによりネズミ被害が激減したんだからお手柄でしょ? ちなみに、これまでに2匹ゲットしてまさえサンにプレゼントしたんだけど、キャット叫んでネコんじゃった(笑い)」
お後がよろしいようで…。
【プロフィール】
名前:ジロリ ♂
年齢:2歳(推定)
種類:猫(なんちゃってアメリカンショートヘア)
勤務先:浅草演芸ホール
職種:受付と、ネズミ退治
主な仕事内容:さまざまな迷惑行為を行うネズミを退治することと、チケット売り場でお客さまにご挨拶すること。
お給料:フード、オヤツ、オモチャなどは、ほぼお客さまの差し入れ。自分で生活費をかせいでいます!
好きなこと:一緒に窓口業務を行うまさえサンが朝一番でしてくれる抱っこ。
嫌いなこと:気分じゃないのにかまわれること。特にしっぽを触られるのがイヤ。
現在の悩み:ちょっとメタボ気味のこと…。ダイエットのため常に腹八分なので、たまには満腹感を味わいたい。
将来の夢:大師匠たちと高座に上がりたい! 猫を題材にした噺があるから、そのときに膝に抱かれてたらかわいいよね。
撮影/山口規子
※女性セブン2017年4月27日号