新国立競技場の定点空撮第2回。おぼろげながら楕円形の輪郭が浮かび上がる競技場建設予定地。右下と左上に見える、中心に向かう長い通路は、クレーン車用だ。工事の進捗状況を建築アナリスト・森山高至氏が解説する。
「現在は敷地を平らに整地している段階です。今回採用された基礎工事はコンクリートを流し込んで固める一般的な工法ではなく、別の場所で作った板状のコンクリートを運び込んで敷きつめるプレキャストコンクリート工法。工期を短くできるのが特徴です」(森山氏・以下「」内同)
敷地を平らにするため、標高の高い右手(東側)が壁のように4メートルほど掘り下げられていることがわかる。
「右手は関東ローム層という地盤の固い地層なのに対して、左手は外苑西通り沿いに渋谷川が流れるため地盤が弱い。左手の一角に杭が打ち込まれていますが、地盤を補強するためのものです」
基礎工事が完了するとコンクリートの板が敷きつめられ、一気に風景が変わるという。
■撮影/小倉雄一郎
※週刊ポスト2017年4月28日号