初回視聴率11.9%で好調なスタートを切った相葉雅紀主演の月9『貴族探偵』(フジテレビ系)。メイド役で中山美穂が出演していることでも注目を集めている。これまで数々の恋愛ドラマで主役を張ってきたミポリンの新境地についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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三十周年を迎え、気合いの入ったフジテレビ月9枠でスタートした『貴族探偵』。素性不明の貴族(相葉雅紀)が、謎の事件の真相を暴くというこのドラマ。といっても、探偵はあくまで彼の趣味で、捜査や事情聴取をするのは、有能な貴族の執事山本(松重豊)や運転手佐藤(滝藤賢一)などの仕事。前代未聞の推理しない探偵というわけである。
貴族と対立する新人探偵に武井咲、空回り刑事鼻形に生瀬勝久、“謎”の存在に仲間由紀恵と豪華な顔ぶれが揃う中、私が気になるのはメイド田中役の中山美穂である。田中は、いつでもどこでも貴族のために最高の紅茶を淹れる。
第一話では、人里離れた屋敷での殺人事件捜査のため、貴族は突如、巨大テントのような移動邸宅を現場の隣にぶっ建てる。田中は早速紅茶をサービス。もちろん、そのスタイルはフリルのついた白いエプロン姿である。また、田中のもうひとつの仕事は「整理整頓」で、彼女はいつのまにか特製ボードに事件の流れを写真入りで表にし、ボードをくるりと返せば、事件関係者を「対立」「恨み」「邪魔」など心情入りでバッチリわかるよう図解しているのだ。その完璧な仕事ぶりに鼻形は「相関図までもですと!?」と仰天だ。