夫の死後2年で「死後離婚」を選んだ理由とは?
配偶者が亡くなってから、その親族と縁を切る『死後離婚』を希望する女性が増えているというが、一体どんな事情があり、どうやって死後離婚を果たしたのだろうか。千葉県在住の鈴木雅子さん(仮名、47才)の例を紹介する。死後離婚とは、配偶者の死後、『姻族関係終了届』を提出し、配偶者の血族(姻族)との関係を終わりにすることを指す。
専業主婦だった鈴木雅子さん。結婚15年目に、エリートサラリーマンだった夫が45才で死去。子供は当時小学生だった。義父母は健在で、東北地方で暮らしている。
もともと、夫の両親とはうまくいっていなかったという鈴木さん。反対されての結婚だったため、夫の死後、義父母との関係はますます悪化した。
「大出世した息子なのに、葬式はそんな規模でいいのか」「早く死んだのは、あんたのせいだ」と、特に義父は言いたい放題。鈴木さんが言い返さないでいると、さらに言葉の暴力はエスカレートしてきたという。
「夫の遺産を私と息子2人で相続すると、“育てたのはおれたちだ。いくらかの金を渡せ”などと毎日のように、家に電話が。新しく作ったお墓に埋葬した時には、“息子の骨を返せ”と親戚の前で罵詈雑言を浴びせられました」(鈴木さん、以下「」内同)
精神的に追い詰められ、耐えられなくなった鈴木さんは、死後2年してから、弁護士に相談。『姻族関係終了届』を提出し、さらには財産も放棄した。
その後、弁護士から義理の両親にあて、「姻族関係がなくなったため、連絡は差し控えてください」という内容証明付きの手紙を送付してもらうと、義父母はひるんだのか、一切連絡してこなくなり、今では、やっと子供と夫の思い出を語れるようになったという。
鈴木さんのように子供がいる場合は、遺産相続の権利があるのは配偶者と子のみで、親やきょうだいにはない。だが、それを知っていながら子供が作った財産を親がもらうのは当然と、声高に言い張り、金を引き出そうとする親が多いのも事実だ。
※女性セブン2017年5月4日号