10代~80代の全国425名の男女に「キラキラネーム」についてのアンケートをとった。その結果、「賛成」は23.8%、「反対」は76.2%となった。
このような賛否について、専門家に聞いた。命名家の牧野恭仁雄(まきの・くにお)さんが統計を取った、過去5年間でもっとも人気が高い呼び名は、男の子で「はると」、女の子で「ゆい」、漢字では「悠斗」、「陽菜」だった。
一方、読者が驚いたキラキラネームには、「泡姫(アリエル)」「雷音(ライオン)」「姫星(キティ)」「光宙(ピカチュウ)」「美月(ミツキー)」「厳惰夢(ガンダム)」などがあげられた。
「名づけで大事なことは“親の本音が込められているか”と“他人が読めるか”です」
とは、前出の牧野さん。
「私自身、“恭仁雄”という読みにくい名前で苦労しました。キラキラネームほどでなくても、読みにくかったり、性別がわかりにくいと、難点のある名前といえます。実際に名前を使うのは親よりも本人と、本人にかかわる社会。名前は他人が使うことの方が圧倒的に多いのです」(牧野さん)
とはいえ、命名は親の権利だと、弁護士の高島惇さん。「親には命名権があり、戸籍法上も常用漢字と人名用漢字を使っていれば自由につけられます。さらに、読み方には制限がありません」
奇抜な名前はいつの時代にもあり、落語の『寿限無』などがいい例。“キラキラネーム”が流行しだしたのは、2000年前後で、これには、名づけた両親が、幼少期を過ごした時代が反映されているという。
「この年代の親が育った1970~1980年代は、経済も社会も安定していました。しかし、画一的な学歴社会で没個性を生んだ時代でもあります。その反動で子供には“個性的”な名前をつけたがるのでしょう」(牧野さん)
名前は家庭の中だけで使うのではなく、社会で使うもの。それと同時に、本人が一生愛着のもてる名前であることが大事といえそうだ。
※女性セブン2017年5月4日号