“負の遺産”となる空き家は「売る」「貸す」が正解
総務省の調べによると、日本の空き家軒数は約820万戸(2013年時点)で、これは日本の全住宅のうち7軒に1軒に相当する。少しでも空き家を減らそうと、2015年に施行されたのが通称「空き家対策特別措置法」。これにより、固定資産税などが大幅アップされる可能性が出てきた。今やただ持っているだけでは“負の資産”となる空き家。その処分方法を解説します!
「売るなら、早いほどいい」と話すのは、不動産の調査・コンサルティングを行うスタイルアクトの沖有人さん。空き家のための税金や維持費を減らす目的もあるが、今は金融緩和政策の影響で、不動産が比較的高値で売りやすくなっているからだという。
「金融緩和が確実に続くのが、2018年まで。それ以降、不動産の値は下がる可能性が」(沖さん)
売ると決めたら、空き家があるエリアの不動産会社に相談を。早く売らないと、情報が古くなって問い合わせが減るため、売り出し価格は欲張らず、3か月以内の成約を目指して。
また、空き家を売る人を増やすため、2016年4月1日から「空き家にかかる譲渡所得の特別控除」の特例が始まり、必要な耐震改修または解体などを行った上で、空き家と敷地を売却した場合、譲渡所得から3000万円の控除を受けられるように。さまざまな要件はあるが、こちらの検討もおすすめ。
「“貸す”と言ってもさまざまな方法があります」とは、空家・空地管理センターの上田真一さん。庭や駐車スペースなど、土地の一部を家庭菜園として貸したり、駐車場だけを月極で貸す、敷地が人通りの多い場所にあるなら自販機を置くのもおすすめだという。これなら、建物の解体費用はかからず、わずかでも家賃収入が期待できる。ただし、空き家を管理する手間や維持費がかかるので、更地にするのも手。
「空き家(建物)の解体費用がかかり、税制優遇もありませんが、更地にすれば、コインパーキングや太陽光発電所などに貸せます。そうすれば、建物の維持費や管理が不要になる上、それなりの家賃も入ってきます」(上田さん)
更地にしておけば、たとえコインパーキングなどに貸していても、建物がある場合に比べ、売りたい時にすぐに売れるのも利点だという。
※女性セブン2017年5月4日号