犬と人間はどれほど似ているのだろうか。たとえば、犬は夢を見るのか。宮崎県の医療事務・まぁこさんからこんな相談がきた。
「うちの愛犬は、寝ていても“おしゃべり”。吠えたり、足をピクピク動かしたりしています。これって、夢を見ているのでしょうか? 人間顔負けのいびきをかくこともありますが、放っておいて大丈夫でしょうか?」
そんな相談に、白金高輪動物病院総院長の佐藤貴紀さんがアドバイスする。
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犬や猫にも、人間と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠があり、“夢を見る”というのは科学的に証明されています。「日本睡眠学会」いわく、レム睡眠とは“急速眼球運動(Rapid eye movement)”の頭文字をとったもので、閉じたまぶたの下で眼球がキョロキョロと動く状態のこと。体は休んでいるのに、脳が起きて活動していて、この時に、夢を見ることが多いとされています。
反対に、ノンレム睡眠はレム睡眠でないという意味で、深い眠りのこと。脳も体も休んでいる状態で、疲労を回復させるための睡眠といえます。
前述の通り、夢はレム睡眠の時に見るといわれ、これは犬も同様。寝ている時に足がピクピクと動くのは夢と連動している可能性が高いです。夢の中で元気に走り回っているのかもしれませんね。といっても、本当のところは犬に聞かないとわかりませんが。これらの行動はあくまで正常な状態であり、生理的な反応といえます。
しかし、体全体が震えているような、けいれんが起きている場合は、病気の可能性が高いので要注意。てんかんや心臓病、もしくは他の病気により起こっている場合もあるので、飼い主は落ち着いて見分けることが大事です。
◆獣医に正確に伝えるため、症状を動画に残しておこう
スースーといった寝息とは異なり、鼻がブーブーまたはブヒブヒといったいびきをかくようになったら、それはなんらかの病気のサインを疑ってください。空気の通り道である、口、のど、気管、肺のいずれかに異常がある場合、いびきも著しく大きくなることがあります。また、人間と同じで、太りすぎによりのどが狭くなっていびきをかくこともあります。
鼻が詰まって息苦しそうにしていたり、鼻がブーブー鳴っていたら、速やかに病院で受診してください。
とはいえ、けいれんやいびきなどの場合は、動物病院を受診する時に症状が治まっているケースが多いので、獣医師が実際の様子を見ることができません。ですから、症状が表れた時、スマホの動画などに記録しておくと、診断の手助けになります。
※女性セブン2017年5月4日号