昨年の年度代表馬で連覇を狙うキタサンブラック。そのキタサンブラックを有馬記念で破ったサトノダイヤモンド。今年初戦でさらに成長を見せた2頭の対決で盛り上がりを見せる天皇賞(春)。そこに角居厩舎の“遅れてきた大物”も参戦する。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、天皇賞に出走する4歳馬シャケトラについて解説する。
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先ごろ上梓した『競馬感性の法則』(小学館新書)では、天皇賞(春)について、「種牡馬にしたい馬にとって、天皇賞を使う意味があるのか」と書きました。種牡馬についてもスピード重視が時代の流れである、と。
その舞台に4歳馬のシャケトラを出走させます。もちろん種牡馬にしたい馬ですが、前言撤回ではありません。長い距離に特化すれば、意味があります。
2歳夏のデビュー直前に軽い骨折が見つかり、実際にデビューしたのは昨年6月の阪神の2000メートル。じっくり後方でかまえて、上がり34秒1であっさり抜け出しました。2戦目は3着に甘んじたものの、ひと息入れて距離を2400メートルに延ばした3戦目、2200メートルの1000万特別を難なく勝ち、今年1月にはGII日経新春杯に格上挑戦。53キロという恵量だったとはいえ、バリバリのオープン馬相手に2着を確保してくれました。