投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の4月24日~4月28日の動きを振り返りつつ、5月1日~5月2日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。目先のリスク要因を一つずつクリアするごとに、リバウンド基調が強まった。注目されていた23日の仏大統領選第1回投票結果は、EUの枠組みの堅持を前面に掲げるマクロン氏が決選投票に進むことが確実と伝えられたことから、為替市場では安全な資産としてこれまで買われてきた円を売る動きが強まり、円相場はドルやユーロに対し大きく値下がりした。
朝鮮人民軍創軍85周年を迎えた北朝鮮では、緊張が続くものの、一先ず核実験や弾道ミサイル発射などの動きがみられていないこともあり、次第に地政学リスクへの警戒が和らぐ格好。その後も米国の税制改革案への期待のほか、28日に期限を迎える暫定予算にむけてメキシコ国境の壁建設費の予算計上を先送りにしたことが好感された。週末こそ暫定予算の行方を見極めたいほか、国内では決算発表の第1弾ピークとなったこと、さらに大型連休を前に積極的な売買は手控えられたが、下値の堅さが意識されていた。
今週は連休の谷間で5月1日、2日の2日間の取引となる。まずは28日の米国の暫定予算が期限となるなか、これが無事通過ともなれば、2日間の商いとはいえ、トレンドが強まる可能性がありそうだ。また、連休中2、3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるほか、5日に4月の米雇用統計が発表され、同日にFRBのイエレン議長が講演する。先高期待が高まる可能性があり、わずか2日間ではあるが、海外勢のリスクオンの流れが強まるようだと、週後半の休日分を前倒しで資金が流入する思惑も高まりそうである。
基本的には商いは膨らみづらく、決算発表も少ないため、第1弾のピークとなった28日発表分の企業に短期資金が集中することになろう。ただし、上記のような外部環境のリスク要因が後退するとなれば、祝日中のリスクは取りにくる可能性はありそうだ。