国立社会保障・人口問題研究所が、「日本の将来推計人口(平成 29年推計)」を公表した。その研究によれば、50才まで1度も結婚していない人の割合である生涯未婚率は、男性23.4%、女性14.6%で、まもなく男性の4人に1人は生涯独身ということになる。少子化が進み、50年後には、日本の人口が1億人を下回るという。「男性の草食化」として語られることも多いこのトピックについて、ネットニュース編集者の中川淳一郎さん(43才)、精神科医の片田珠美さん(56才)、動物行動学研究家の竹内久美子さん(60才)が意見を交わした。
竹内:今は、未婚者で恋人がいない男女が全体の約半数っていうんですよね。私の世代からすると信じられない現象ですが、今は世の中全体が貧しくなっていて、結婚して子供ができても、きちんと育てられるかわからないと思う人が増えており、無理に恋愛や結婚ということに活動エネルギーを費やさない方がいいよね、という流れになっている。
片田:人間の本能は、自己保存の本能と生殖本能に大きく分けられますが、生きるのにギリギリだと、お金も時間もエネルギーも、自己保存に費やさざるをえないんです。ある種の自己防衛です。
中川:「男性の草食化」がいわれていますが、ぼくはそうは思っていない。もしも草食化の定義が、「女性と積極的につきあわないこと」だったら理解できます。確かに恋人のいない男性は増えていて、1990年代前半のような「恋愛至上主義」ともいえそうな状況は今はない。晩婚化が進むのも当然のことですよね。しかしながら「性欲があるかどうか」でいえば、そこは昔と変わっていない。この10年間で性欲が突然減退するって、おかしいと思うんです。「突然変異」ですよ、これ。
竹内:人間の根本は変わっていなくて、性欲に制御がかかっている状態といえます。
中川:実際、エロ動画は日々増加の一途をたどり、今はスマホさえあれば、どこでもマスターベーションができます。つまり自己満足の方にいってる。今はVRを使ったエロ動画館もあって、それをかけると、セクシー女優がリアルに迫ってくるんですよ(笑い)。そういう場所は、朝行って、整理券をもらって、7時間後に来てくれと言われるくらい大盛況なの。
片田:いくらくらいなんですか?