国内

名物スリ師「ケツパーの土井」が拘置所で読む愛読書は?

名物スリ師が愛読する本のタイトルは

 本をまったく読まない大学生がおよそ4割もいるという調査結果をあるなか、「あらゆる人が読書家になる」と言われるのが刑務所、あるいは拘置所だ。彼らはどんな本を読んでいるのか? ノンフィクションライターの高橋ユキ氏が迫る。

 * * *
 尻ポケットに入れた財布をすり取る手口から捜査員の間で「ケツパーの土井」と言われた土井康夫被告(70代、本人の希望により仮名)は、昨年、千代田線の車内で現行犯逮捕され、懲役3年6か月の判決を言い渡された(現在、上告中)。東京拘置所から届いた手紙には「外にいる時と同じように、『文藝春秋』を定期購読している」とあった。

「最近買った本は佐高信の『石原慎太郎への弔辞』(ベストブック)、佐高信・浜矩子『どアホノミクスの正体』(講談社+α新書)。イギリスのEU離脱、トランプ大統領誕生、金正恩兄の暗殺などとFact is stranger than fiction。事実は小説より面白いことが一杯起こっています。もっとも芥川賞受賞の『火花』、『コンビニ人間』、『しんせかい』は読んでます。これらは『文藝春秋』に掲載されていましたから」

 手紙には英語と日本語が混じる。かつて商社勤めをしていたからだと本人は語る。『文藝春秋』を読んでいる人間と見られたいという、インテリ志向の表われなのだろうか。元刑務官の坂本敏夫氏は言う。

「以前私が関わっていた受刑者に、山本周五郎の本を読んでもらったら『女房に楽をさせてあげたい』と言うようになり、奥さんへの手紙の内容も変わった。良書は気持ちを変えます」

 彼らは、良書との出会いを更生に役立てられるのだろうか。

※週刊ポスト2017年5月5・12日号

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン