平日昼間の病院の待合室は患者がごった返し、介護施設は定員オーバーで入所待ち。65才以上の高齢者が人口比の3割を占める日本では、医療費と介護費の増大が目下大問題となっている。しかし実は、支出を見直すと、家計をグッと楽にする裏ワザもある。
患者が薬局で支払う金額の中には「薬剤服用歴管理指導料」が含まれている。薬局が患者の服用歴や服用状況などを記録し、指導を行うことへの料金だ。お薬手帳を持って行くと、この金額が40円安くなる。1回当たりは微々たる数字だが、通院頻度が高い患者は年間で見るとばかにならない金額になる。
「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」は「新薬(先発医薬品)」の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ有効成分の薬。価格は新薬の4~5割。処方される薬にジェネリック医薬品がある場合は、そちらを選んだ方が節約になる。
ベーチェット病や先天性横隔膜ヘルニア、潰瘍性大腸炎など、国が費用を助成しないと治療法の研究が進まないと判断された難病は「特定疾患治療研究事業」として、医療費の自己負担分の一部を国と自治体が助成してくれる。
現在は306疾患がこの特定疾患に認められており(厚労省のホームページで該当する全病名を公表)、当てはまる患者は、各都道府県の保健所などに問い合わせよう。
人工透析を受けている慢性腎不全の患者や血友病、HIVの患者は「高額長期疾病(特定疾病)」の対象になる。加入している健康保険で「特定疾病療養受療証」を発行してもらうと、月額1万円の自己負担で治療が受けられる。
『読むだけで200万円節約できる!医療費と医療保険&介護保険のトクする裏ワザ30』(ダイヤモンド社)の著者で医療問題に詳しいジャーナリストの早川幸子さんはこう解説する。
「70才未満で月収53万円以上の患者は自己負担が月額2万円になりますが、それでも一般的な治療に比べると患者の負担額は少なく抑えられています」(早川さん)
※女性セブン2017年5月11・18日号