5月13日公開の映画『いぬむこいり』(片嶋一貴監督)で、主演女優の有森也実(49)が体当たりの演技を見せている。約4時間に及ぶ長尺で描かれるのは、犬と人間の娘が結婚する民話「犬婿入り」をベースに繰り広げられる異色のファンタジーだ。
「実現まで時間がかかりましたが、もともと片嶋監督と偶然再会した2009年に持ち上がった企画です。実際に259ページものシナリオを目にした時は、『これ本当に撮れるの?』って不安になりました」(有森、以下同)
2015年夏、1か月半かけて行なわれた撮影では、「犬男」との過激な濡れ場も演じた。“演じない”意気込みで挑んだが、撮影直後は女優をやめようと思うまで追い込まれたという。
「全てに疲れ果て、1年は『いぬむこいり』の話すらできませんでした。ただ、編集作業が進むにつれ、映画に向き合わなければ製作に協力してくださった皆さんに顔向けできないと思い、徐々に立ち直っていきました。今は映画に対して感謝の気持ちでいっぱいです。これからも5年に1度くらいは『あの役、有森だったんだ!』って、観客を驚かせたいです(笑い)」
今回のグラビアは「爽やかさが漂っていて気に入っている」と話す有森。年を重ねた有森ならではの妖艶なボディラインと独特なエロスに、女優としての成熟を感じさせる。
●ありもり・なりみ/1967年12月10日生まれ。神奈川県出身。雑誌モデルとしてデビュー後、女優として活躍。1986年に映画『キネマの天地』のヒロイン役で、第10回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。大河ドラマ『翔ぶが如く』『秀吉』、連続テレビ小説『あすか』『ゲゲゲの女房』(以上NHK)、『東京ラブストーリー』(フジテレビ系)などの話題作に出演。今回掲載の写真は、2016年1月1・8日号で掲載した撮り下ろしグラビアのアザーカットから厳選した。
◆撮影/松田忠雄
※週刊ポスト2017年5月5・12日号