新入社員にとって初めての大型連休であるGWは、これから本格的に始動する仕事の活力を養うための貴重な充電期間となる。だが、中には「入る会社を間違えたかも……」と休み中に憂鬱になり、早くも「退職」の2文字が頭をよぎる人もいるだろう。そんな5月病に陥っている新社会人の“よくある悩み”に、社会保険労務士の稲毛由佳さんがアドバイスする。
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◆希望の職種(部門)ではなかった
早い会社では、すでに新入社員研修を終え、連休明けから正式な配属先で勤務する人もいるでしょう。しかし、現実問題、希望通りの職種や部門に配属される可能性のほうが低いと思ったほうがいいかもしれません。
いくら大学等で専門知識を身につけたとしても、ビジネスで活かせる専門知識は別のもの。本人にとっては、「やりたい仕事=戦力」として会社にも貢献できると自信を持っているかもしれませんが、その希望と会社が判断した仕事がマッチするとは限りません。
希望ではない職種で身に着けた専門知識でも、後々役立つことはありますし、本人の希望部署よりも会社の見立てのほうが結果的に合っていたケースも少なくありません。実際、「当初は、自分に向いていると思わなかったが、やっているうちにやりがいを見出し、やがて天職と思うようになった」と、口にする成功者も多いのです。
◆ボクの上司はダメ上司
よく雑誌で特集が組まれる「ダメ上司のセルフチェックシート」を、いざ自分の直属の上司にあてはめて、ダメ上司度をチェックする人がいます。そして、
「やっぱり、ダメ上司じゃん。こんな上司のもとでは自分は成長できない」と、退職を決意するパターンがあります。
しかし、上司も所詮ただの人。間違ったこともいうし、八つ当たりだってする。理不尽なこともいうでしょう。むしろ、ダメな上司のチェックシート項目にまったく当てはまらない上司のほうが珍しいのです。
上司から理不尽なことを言われたとしても、それをやり過ごす術を身につけなければ、そもそも厳しいビジネス社会は生き抜けません。
自分なりに一生懸命やって、結果もきちんと出したのに、「次はもっと頑張れ!」と上司から檄が飛び、へこむ人も多いですが、逆に「よく頑張ったね。もう、十分だよ」と、いう上司がいたら、本人どころか、その会社の成長は見込めません。
頑張ったことに対して、上司からの褒め言葉を期待する前に、まずは、自分自身で褒めてあげましょう。