4月スタートの朝の連続テレビ小説『ひよっこ』が話題だ。『あまちゃん』(2013年)のドローン、『べっぴんさん』(2016年)の刺しゅうなど、朝ドラのオープニング映像には人々をひきつける仕掛けがある。
今作は桑田佳祐(61才)が書き下ろしたオープニング曲『若い広場』に合わせて、ドラマの舞台である高度成長期の変化がミニチュアで作り込まれている。制作を担当したのは映像ディレクター森江康太さんとミニチュアアーティスト田中達也さんだ。
「実はオープニングの最初のカットでは、看板に過去の朝ドラのタイトルが書かれているんですよ」(森江さん)
というヒントをもらいながら、映像を細かく見ていくと、他にもさまざまな見立てに気づく。
「いちばん苦労したのは団地の見立てですね。最初は四角いサンドイッチを縦に積み重ねて団地を表現しようと思ったのですが、建設中の団地の雰囲気をもっと出せるものはないかと思っていたとき、下北沢の雑貨屋さんでソロバンがディスプレーされているのを見て、今の形になったんです」(田中さん)
◆ミニチュアを演じているのはたった1人のスタッフ!
まるで小さな人たちがそこに存在しているかのようなオープニング映像だが、実際に演じているのは森江さんの会社の男性スタッフだという。
「ミニチュアの動きはモーションキャプチャー(人間などの動きを測定してコンピューターに取り込む技法)で、たった1人のスタッフが演じているんです。草野球をしているシーンではピッチャーの動きもつけていますが、スタッフが野球部出身で助かりました(笑い)」(森江さん)
オープニング映像は、放送から3か月目あたりでドラマの内容に合わせてワンシーンが差し替わるのだそう。どこが変わるか今から楽しみだ。
※女性セブン2017年5月11・18日号