古来、中国では最適な組み合わせの食材を調理して薬の代わりにし、食事で病気の予防や治療をしてきた。そんな中国の漢方や薬膳の考えをもとに、食べ合わせの研究を続けてきた“食べ合わせ博士”こと田村哲夫さんに、元気になれる「体にイイ!食べ合わせ」を教えてもらった。
【塩×酢】
食塩の主成分・塩化ナトリウムには、血液の浸透圧をコントロールして体の水分を保持する働きが。つまり、摂りすぎるとむくんでしまう。
「塩分を摂りすぎると、体内に炎症が起こるため、高血圧や胃がんの原因になる場合が少なくありません。炎症を鎮めるには、クエン酸などの酸味成分が入った酢が有効。塩を使った料理に酢を加え、塩分の効果を薄めるのがおすすめ。酢には、うまみ成分のアミノ酸も含まれているので、塩分量を減らしても味気なさは感じないはず」
【冷奴×みょうが】
良質なたんぱく質といわれ、健康効果も高い豆腐だが、唯一の欠点が胃腸を冷やすこと。
「更年期で体がほてる人には、体の中から冷やしてくれる豆腐は最適な食材。これに、熱を逃がす効果があるカリウムを含むみょうがを添えれば、ほてりを抑えてくれます」
【ししゃも×レモン】
ビタミンCが豊富で抗酸化作用が高いレモン。実は、ミネラルやカルシウムを効率よく吸収させる効果もある。
「1か月間、魚や肉、野菜など、いろいろな食材にレモンをかけて食べたところ、骨量が上がったというデータも。特に、骨ごと食べられるししゃもにレモンをかければ、カルシウムをもらさず摂取できます」
【唐辛子×いかの塩辛】
唐辛子の辛み成分は、体を温めるカプサイシン。同じく、体を温める効果のある塩を合わせると、冷え防止になる。
「特に唐辛子といかの塩辛の食べ合わせはおすすめ。いかのたんぱく質やミネラルが、血を補って内臓機能を高めます」
また、辛い料理を食べた後、排便時に肛門がヒリヒリするのは、消化器官、内臓ともに同じく強い刺激を受けている証拠。胃が荒れると胃がんのリスクも高まるので、辛いものの食べすぎには注意が必要。
※女性セブン2017年5月11・18日号