国内

公明党と創価学会と鉄道の濃くて深い関係

「こうめい鉄道部」左から斉藤鉄夫・伊藤渉・新妻秀規・三浦信祐

 ゴールデンウィークには鉄道ファンが待ち望む特別な列車の運行が多い。この数年、その臨時列車のひとつに「ニコニコ超会議号」と呼ばれた幕張メッセで行われるニコニコ超会議に行くための列車があった。残念ながら今年は運行されなかったが、ニコニコ超会議2017でおこなわれた「こうめい鉄道部」イベントから、今は見られることがなくなった大規模臨時列車について、フリーライターの小川裕夫氏が振り返った。

 * * *
 毎年、ゴールデンウィークに千葉県千葉市の幕張メッセで開催されるニコニコ超会議では、鉄道事業者が一堂に介するエリア”ニコニコ超鉄道”が設けられている。今年のニコニコ超鉄道では、昨年3月に新型車両A3000形をデビューさせた静岡鉄道が同車両をPRするために初出展した。

 静岡鉄道が初参戦したという話題はあったものの、毎年恒例となっていた”ニコニコ超会議号”が諸般の事情で運行を取り止めた。残念ながら、今年の”超鉄道”は、全体的に話題が乏しい内容だった。

 しかし、誰もが日常的に使う鉄道は、当たり前だが鉄道ファンだけのモノではない。鉄道を趣味としない人でも、鉄道について一家言持っている人はいるだろう。”超鉄道”とはまったく別の場所に陣取っていた公明党ブースでは、テツ議員4人が登壇して鉄道トークに花を咲かせた。

“こうめい鉄道部”は、斉藤鉄夫元環境大臣が部長を務める公明党内の同好会。トークショーの冒頭、斉藤元環境大臣は「自分の名前が”鉄夫”だからテツである」と笑いを誘い。自身が時刻表をこよなく愛する時刻表鉄であることをカミングアウトした。

 伊藤渉衆議院議員は、大学院修了後にJR東海に入社。新幹線の運転士免許を保有する正真正銘の”乗り鉄”。国会議員で唯一、新幹線を運転できるという自己紹介をしている。ただし、プロの鉄道マンだった経験から”こうめい鉄道部”に入部しているが、鉄道知識は、「テツ3人の話についていくのが精一杯」と本音を吐露した。

 そのほか、川崎重工とボーイング社に勤務した経験から宇宙開発や航空工学の知識が豊富な新妻秀規参議院議員、防衛大学校で准教授として教鞭を執った経験がある三浦信祐参議院議員など、鉄分の濃いメンバーが揃っている。

 野党に下野していた時期こそあったが、1999(平成11)年に自民党と公明党が連立政権を組んで以降、国土交通大臣のポストは北川一雄衆議院議員、故・冬柴鉄三衆議院議員、太田昭宏衆議院議員、そして現国土交通大臣の石井啓一衆議院議員といったように公明党の指定席になりつつある。特に政権与党に復帰してからは、ずっと公明党議員が国土交通大臣を務めている。

 そして、公明党のみならず支持母体である創価学会も鉄道とは深い関係にある。かつて創価学会は、静岡県富士宮市にある日蓮正宗総本山・大石寺へ信者がこぞって参詣登山をしていた。公称840万世帯ともいわれる創価学会だけあって、信者は全国に多く散らばっている。多くの信者が夢見る大石寺登山だったが、個々が自動車に乗って総本山を参詣したら道路は渋滞してしまうし、混雑によって周辺住民にも迷惑がかかる。また、不経済でもある。

 そうした事情から、創価学会は国鉄と交渉して1991(平成9)年まで団体専用列車を仕立てていた。JR身延線の富士宮駅まで運行する同列車は、鉄道ファンから”創価学会団体臨時列車”(通称:創臨)と呼ばれた。こうした団体列車は創価学会だけの専売特許ではなく、天理教や金光教なども同様の臨時列車を仕立てていた。ただ、創価学会の組織規模が巨大だったことから、頻繁に創臨は運行された。そのため、国鉄にとって創価学会は上客とされていた。

 創臨が運行されなくなったのは、総本山・大石寺と創価学会の関係がギクシャクしたからだ。その結果、鉄道ファンを落胆させることにもなった。

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
男が立てこもっていたアパート
《船橋立てこもり》「長い髪に無精ヒゲの男が…」事件現場アパートに住む住人が語った“緊迫の瞬間”「すぐ家から出て!」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン