“犬は人につき、猫は家につく”。猫にとって過ごしやすい家は、人間にとっても心地よい空間。猫の生態から、快適な暮らしを考えてみた。猫の行動や生態に詳しい哺乳類学者の今泉忠明さんが解説する。
Q:外をずっと眺めているけどお散歩させたほうがいい?
A:【交通事故や病気の心配も】
外を眺めて刺激は得ているが、室内で飼っている猫なら“世界はここだけ”と思っているはずなので、交通事故や病気のリスクも増えるため、外に出す必要はないと、今泉さん。部屋の中で適度に運動できる仕掛けを作ってあげるとよい。
Q:部屋の温度は何度ぐらいがいい?
A:【人が快適だと思う温度に】
猫は家の中で涼しい場所を探して過ごすが、気密性の高いマンションなどでは、熱中症になるおそれがあるため、夏の日中の外出時は、エアコンを入れて温度管理に注意して。
Q:お風呂に入れたほうがいいの?
A:【入れなくても清潔】
猫のだ液にクリーニング成分が含まれており、舐めて湿らせた手で顔を洗ったり、体を舐めて清潔にしているので、汚れが酷いときや特別な長毛種以外は、お風呂は必要ない。
Q:部屋の中に植物は置いていい?
A:【口にすると危険な植物も】
ユリは花粉が付いた体をなめただけで中毒症状に。スズラン、チューリップ、ポインセチア、ポトスもNG。無害なのは猫草、パキラなど。鉢や花瓶が倒されない配慮も必要。
Q:1泊2日の旅行へ…家を留守にしてもいい?
A:【水やフードを用意すればOK】
1泊2日ならフードや水を置いておけばOKだが、2泊以上になる場合は、対策が必要だと、清水さん。猫は環境が変わるのを嫌がるため、ペットホテルなどに預けるより、シッターや知人などに家に来てもらうほうがよい。
Q:夜中に走り回って騒音が心配…何かいい方法はある?
A:【遊んでストレスの発散を 】
猫は夜行性と思われがちだが、キャットタワーなどを設置し、日中しっかり運動させれば夜寝るように。また、猫じゃらしなどで遊んでストレス解消を。ポインターなどの光を追いかけさせるタイプのオモチャもあるが、獲物を手で捕まえる感覚を味わえないため、かえってストレスになることも。
Q:すぐにひっかく猫。何か対策はある?
A:猫は3秒で気持ちが変わる
群れずに単独で狩りをして生きてきた猫は、気ままな性格。3秒で気が変わるとも。ひっかくのは「放っておいて」のサインなので、少し距離をおいてみて。また、生後8~12週で母猫から社会性を学ぶため、生まれてすぐ親と離れてしまった猫は、ひっかきなど問題行動が出るケースも。獣医さんなどに相談を。
※女性セブン2017年5月11・18日号