国内

世界のVIPを東京湾案内 小池知事が豪華クルーザーに20億円

都が発注したものと同タイプのクルーザー(アジムット-ベネッティ社のHPより)

〈契約金額 19億6235万8256円〉〈契約の相手方 AZIMUT-BENETTI〉──これは東京都が昨年12月に実施した「視察船」建造の入札記録である。「もったいない」を五輪コンセプトに掲げる小池百合子・東京都知事が、20億円もの税金をかけてVIP接待用の大型外洋クルーザーを建造していることはほとんど知られていない。

 受注したのはイタリアのアジムット-ベネッティ社。欧米のセレブや中東の王族などのクルーザーを多く手がける世界トップクラスの造船会社だ。

 図面によると、クルーザーは全長35メートル(約115フィート)でデッキは3層。1階(上甲板)は22人掛けの大テーブルが置かれた同時通訳ブース付きの会議室(窓際にも座席31席)、エレベーターで2階に上がるとパントリー(小さなキッチン)と10人掛けのダイニング、広い応接室があり、3階は展望デッキとなっている。セレブたちがシャンパン片手に船上パーティを開く、豪華クルーザーそのものだ。

 ヨットが趣味の石原慎太郎・元知事ならいざ知らず、その石原都政のカネ遣いを叩き、五輪経費の削減にも力を入れる小池知事が、なぜ、こんな船の建造を認めたのだろうか。建造に至る経緯を辿ると、計画がいかに都民無視で進められてきたかが分かる。

 計画されたのは公私混同問題で失脚した舛添要一・前知事時代の2015年。舛添氏は「来客を迎えるのに民間の施設では格が下がる」と五輪に合わせて浜離宮庭園に、約40億円でVIP迎賓施設「延遼(えんりょう)館」(明治期の迎賓館)を再建することを決定し、来賓を羽田空港から延遼館までクルーザーで送迎することを検討。都港湾局が保有する視察船「新東京丸」が老朽していることから、代替の名目でクルーザー建造が持ち上がった。迎賓館建設も、豪華クルーザーの建造も、いかにも舛添氏らしい発想だ。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン