決選投票の勝敗が決すると、パリのルーブル美術館前を埋め尽くす支持者から大歓声が上がった。
「皆さんありがとう。勇気を持って戦ってくれたことを感謝します。皆さんは勝利しました。フランスは勝利しました。私はフランスを守ります」
ステージに登壇したエマニュエル・マクロン氏(39才)がスピーチする間、観衆の拍手が鳴り止むことはなかった。5月8日、フランス大統領選の決戦投票でマクロン氏がマリーヌ・ルペン候補(48才)を破り、第25代大統領の座を勝ち取った。
超エリート大学から有名銀行を経て、史上最年少で国のトップへと登り詰めたこのイケメンが支持を集めた理由は、ルックスや華々しい経歴、そして政策だけではない。
この日、ステージ下で歓喜を分かち合うマクロン陣営の中に、彼の勇姿を涙ながらに見つめるひとりの“美魔女”がいた。新たにファーストレディーとなる妻のブリジットさん(64才)だ。
年の差は25才。恋愛に寛容なフランス国民でさえ驚嘆したという夫婦のなれそめは、愛と労いたわりに満ちていた。
ふたりの出会いは、マクロン氏が通っていたフランス北部・マミアンのカトリック系ハイスクール。彼は当時16才。ブリジットさん(当時41才)は同校で国語教師兼演劇部顧問を務めていた。
音楽と文学を愛する穏やかなマクロン少年は、演劇部に入部するやミラン・クンデラの戯曲『ジャックとその主人』で主演の座に抜擢。脚本について顧問のブリジットさんと打ち合わせをする過程で、彼女に好意を持ったという。
「一途な彼は、自分の気持ちを隠すことなく伝え、ふたりの仲は急速に発展していったそうです。でも、ブリジットさんは当時銀行員の夫と3人の子供がいた。しかもその子供たちの年齢はマクロンさんとさほど変わらない。カトリック系の学校だけに規律も厳しく、ふたりの不倫愛は学校でも問題になったといいます」(在仏ジャーナリスト)