5月に旬を迎える「かつお」は、スズキ目サバ亜目サバ科マグロ族カツオ属の魚だ。さばのようなまぐろのような、すずきの仲間でもあり…と、立ち位置がはっきりしない魚である。
日本近海では黒潮に乗って太平洋側を春に九州南部から北上し、秋には宮城県沖に到達。そこからUターンして南へ向かう。まぐろ同様に、泳いでいないと死んでしまう。
初がつおが出回る4~5月と、三陸沖で漁獲される戻りがつおの8~9月下旬と、旬が年に2度ある。脂がのっているのは戻りがつおの方だが、さっぱりと口当たりよく、身が引き締まった初がつおも格別の味わい。
低脂肪・高たんぱくなのでダイエットにもぴったりだ。また、かつおには脳の働きを活性化するDHA、血液をサラサラにする働きがあるといわれるEPA、そして肝機能を高めるタウリンが豊富に含まれる。メタボが気になる人は、薬味たっぷりの初がつおを積極的に食べるとよいかもしれない。
「かつおに限らず、ほとんどの魚は空気に触れる面が多ければ多いほど、鮮度の落ちも早くなります。すぐに食べるのでなければさくを選び、さばけるのであれば、半身のものを選びましょう。食べきれなかったら…の心配はご無用。最初は刺身やたたきで召し上がって、あとは下で紹介するレシピをご覧ください(笑い)」(家庭料理研究家・松田美智子さん)
【かつおの選び方】
かつおは腹身と背身がある。腹身の方が脂肪分、カロリーともに若干高いが、じつはこの脂肪にEPAやDHAが多く含まれている。
購入の際は、身の赤色が鮮明なものを選び、皮と身の間に脂肪が多くあるものを選ぶ。ただ、脂肪が多いと傷みやすく、生ぐささも強くなる。また、切り口が虹色に光っているのは、鮮度がかなり落ちている証拠だ。
◆かつおのマリネサラダ
【1】かつおの背身約400gはさく取りし、塩小さじ1を軽く擦り込む。
【2】レモン1個分のレモン汁、オリーブ油1/4カップ、塩小さじ1、フレンチマスタード大さじ1、すりにんにく小さじ1/2、こしょう少量をボウルに合わせ、マリネ液を作る。
【3】鍋に湯を沸かし、パセリの茎1~2本、ローリエ1枚、塩・粒こしょう各小さじ1、白ワイン大さじ3を順に加え、【1】のかつおを入れて表皮から1cm厚さに火が通る程度までゆでる。氷水に取り、キッチンペーパーで水気を軽く押さえてバットに寝かせ、【2】のマリネ液を絡める。冷蔵庫で1時間おく。
【4】玉ねぎ1個は縦半分に切ってから繊維に沿って薄切りにし、セロリ1本は筋を引いて4cm長さの短冊切りにする。きゅうり1本は縦半分に切り、種をスプーンなどで除いて4cm長さの短冊切りに、トマトは皮をむき、芯と種をのぞいてざく切りにする。
【5】【3】のかつおを1cm幅に切り、野菜と合わせて器に盛る。
※女性セブン2017年5月25日号