国際情報

朴正煕政権で投獄された文在寅大統領は朴一族の天敵

朴槿恵とは父親の時代からの因縁を持つ文氏

 若い学生からベビーカーを押した母親、杖をついた老夫婦まで、彼が町を歩けば老若男女が殺到する。

「さながら韓流スターです。選挙戦を通じて、一強体制はほぼ揺るぎません」(韓国の全国紙記者)

 9日、韓国で大統領選が行われ、最大野党『共に民主党』の文在寅氏(64才)が当選した。北朝鮮への融和政策を掲げ、「米国にも言うべきことは言う」という文氏の姿勢に、トランプ米大統領が早くも警戒しているといわれているが、彼の存在に最も肝を冷やしているのが日本の首相官邸だ。弱者救済を掲げて青年期より権力と闘ってきた文氏は、筋金入りの「反日」だからだ。

 文氏は1953年1月、韓国南部の巨済島に生まれた。両親は朝鮮戦争中に戦火を逃れて北朝鮮から韓国にやってきた避難民だった。幼少時は貧しく、トウモロコシのおかゆで飢えをしのいだ。月謝が払えずに授業の途中で教室から追い出されたこともあったという。

 名門・慶煕大学に進学後は、朴槿恵前大統領(65才)の父親である朴正煕政権に対する民主化闘争に明け暮れ、反政府デモを主導して逮捕・投獄されている。

「デモ中に催涙ガスを浴びて失神したこともあるほど、激しい権力闘争を繰り広げてきました。ちなみに失神した際に彼を看病した女性が、今の夫人です。卒業後は人権派弁護士として活動し、政治の師と仰ぐ盧武鉉政権では大統領秘書室長を歴任して、彼の右腕として働きました。当時は激務のあまり歯が10本抜けたといわれていますが、その分、大統領の覚えはめでたかった」(前出・韓国の全国紙記者)

 2012年4月の国会議員選挙で初当選し、その年12月の大統領選に出馬して有権者の48%もの票を集めたが、51%を得票した朴槿恵に惜敗した。

 朝鮮半島情勢に詳しい、『デイリーNKジャパン』の高英起編集長は、文氏にとって朴槿恵は「特別な存在だった」と指摘する。

「文氏は朴正煕に民主化運動を弾圧され、その娘である朴槿恵には大統領選で苦杯をなめさせられた。彼にとって朴槿恵はあらゆる面で相反する“政敵”であり、積年の思いを抱いていたはずです」

 昨年、朴槿恵のスキャンダルが発覚した際、「弾劾訴追が棄却されれば革命しかない」として朴槿恵の弾劾裁判と退陣を最も強く訴えたのは文氏だった。朴槿恵一族にとって、彼は天敵にも等しい存在だと言える。

※女性セブン2017年5月25日号

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン