本場の中華料理は北京、上海、四川、広東の4大料理のほかにも地域によって細かく分かれていて、それぞれの地域ごとに使用する醤や山椒、胡椒などの香辛料に強いこだわりがあり、味もずいぶん異なります。
日本が便利なのは、そのすべてを国内で食べられること。例えば広東料理では、東京・四谷にある「嘉賓(かひん)」のワンタンが絶品です。
ベロンとした皮の中に豚肉やプリッとしたエビの身などの具がたっぷり詰まっていて、一口食べると「ウ~ン」と唸ってしまう。ワンタンは「雲を呑む(雲呑)」と書くけど、本当に雲を呑んだ気になります。
中国の内陸地で盛んな骨付き羊肉も、日本にいながら食べられます。私は相撲が好きなので、東京・新橋にある「モンゴリアン・チャイニーズBAO」を訪れると白鵬関になった気分で骨付き羊肉に齧りつきます。
本場の味を導入する一方、独自の発展を遂げたことも日本の中華の魅力です。その代表例が餃子でしょう。すでに日本の餃子は本場を差し置いて海外に進出し、「RAMEN」だけでなく米国や欧州にも「GYOZA」の店があります。