最近の調査によると、1人当たりかかる医療費は30万円以上といわれている。ちょっと風邪を引いただけで、余分な薬をつけられてしまい、結果として使わず残った…という経験をした人も多い。そんな中、消費生活アドバイザーで薬剤師の資格を持つ阿部絢子さんは、なるべく医者にかからないようにするためには、自分がかかりやすい症状、体質に合った“選抜メンバー”薬を揃えた薬箱の常備を勧める。選抜メンバーを作るためには、自分や家族に効いたか効かなかったかを念頭に置く必要がある。
だが、選抜メンバーがそろっただけでは「最強」とはいえない。阿部さんは「詰め方にもポイントがある」とキッパリ。
「薬にはすべて使用期限があります。一目見てわかるように、瓶のふたやパッケージの上などに使用期限を書いておくと、見落としません。期限切れの薬をのんでは意味がありませんから。
ガーゼやテープ、軟膏はけがの時にすぐ手当できるよう、1つにまとめて保存ビニール袋などに入れておくと効率的です。
年に1度は薬箱を点検し、使用期限の過ぎた薬や、あまり効かなかった薬を処分しましょう。そのために、ノートとペンも入れておき、どの薬がどう効いたかを、データとして残しておくことが大切です」(阿部さん)
1年に1度の薬箱チェックは、自分の健康チェックでもある。年齢によって必要な薬は変わる。そして一般的に効果があるといわれている薬が自分に合うかどうかは、使ってみなければわからない。だからこそ、手作りの「おくすり手帳」が有効なのだ。
「私は3年かけて自分に合う“理想の薬箱”を作りました。たとえば、風邪のひき始めには『龍角散』と『カイロ』で治します。『葛根湯』も風邪対策に人気ですが、私には効きませんでした」(阿部さん)
さらに薬箱の保管場所にも気をつけたい。