5月14日に初日を迎えた大相撲5月場所。横綱・稀勢の里の連覇に注目が集まるが、稀勢の里に本気でぶつかっていくのはモンゴル横綱・大関陣だけではない。番付上位に居並ぶガチンコ力士たちの存在がある。
「今場所、稀勢の里と対戦が予想されるモンゴル勢は横綱・大関陣だけではない。関脇・玉鷲や前頭2枚目の千代翔馬がいる。同郷の先輩からハッパも掛けられているでしょうし、序盤の番狂わせを演出する可能性が最も高いガチンコ勢です」(ベテラン記者)
さらに、今場所も大人気の稀勢の里に懸賞が集中するのは必至だ。ガチンコ力士たちの稀勢の里戦への発奮材料には事欠かない。
「いずれも突き押しを得意とする小結の御嶽海、嘉風もいる。特に御嶽海はこれまで稀勢の里に勝ったことがないだけに気合い十分。また面白そうなのは稀勢の里と初顔合わせが実現しそうな前頭筆頭・千代の国、同3枚目の大栄翔です。初場所では白鵬が初顔合わせの平幕2人に金星を献上したのが記憶に新しいが、稀勢の里も体調が万全でないなかで受けに回ると足をすくわれる」(同前)
稀勢の里が昨年1年間で敗れた関脇以下の力士は9人いる。今場所の対戦が確実視されるのは嘉風と前頭筆頭の遠藤、同2枚目の隠岐の海。「前頭5枚目の正代も序盤で成績を伸ばせば横綱との対戦が組まれる可能性がある。立ち合いで変化しないのが信条の力士だけに、稀勢の里も逃げるわけにはいかない」(同前)というから、これも波乱含みの一番となり得る。
稀勢の里の弟弟子で、大関獲りがかかる関脇・高安まで含め、ここに挙げた横綱・大関以外の実力派10人が「“ガチンコ十勇士”とでも呼ぶべき存在で、今場所の隠れた主役候補」(同前)とみられているのだ。
※週刊ポスト2017年5月26日号