現在開催中の大相撲5月場所で、注目力士の1人が大関の豪栄道。昨年の9月場所でカド番からの全勝優勝を果たした豪栄道だが、九州場所で綱取りに失敗すると、その後はケガに苦しむ場所が続いている。先場所は右足首の故障もあって地元・大阪開催だったにもかかわらず1勝5敗9休。5度目のカド番として今場所を迎えた。
「休場した3月場所中から宿舎の土俵では稽古を再開していたし、春巡業も4月17日の靖国神社での奉納相撲から参加できた。ケガはほぼ完治していて、体の状態は決して悪くない。ただ、本人は琴奨菊の関脇への落ち方を見て、動揺しているように見えます」(後援会関係者)
琴奨菊はカド番で迎えた初場所で負け越して大関陥落。春場所で10勝をあげての大関復帰を目指したがそれにも失敗した。
「琴奨菊の陥落は、明らかに平幕のガチンコ勢に勝てなかった結果。初場所は2日目の隠岐の海に負けると、4日目以降は正代、宝富士、御嶽海、高安、松鳳山と売り出し中のガチンコ力士に5連敗。春場所も日馬富士、鶴竜という2横綱に勝ちながらやはりガチンコの三役、平幕力士に勝てなかった」(同前)
豪栄道も今場所、上位に居並ぶガチンコ力士たちのほぼ全員と対戦することになりそうだ。
「そのなかでも高安、玉鷲、嘉風、正代に対しては過去の対戦を見ても分が悪い。この4人のうちの誰かに序盤で取りこぼしたら、そのまま一気に崩れていってしまうリスクがある」(スポーツ紙デスク)とみられている。
カド番大関にとってのヤマ場は上位と潰し合う終盤ではなく、むしろ序盤にあるのだ。
※週刊ポスト2017年5月26日号