史上最年少でプロ入りし、脅威の連勝で鮮烈なデビューを飾った天才中学生棋士・藤井聡太四段(14)。
「将棋界に“遅咲き”は極めて少ない。トップ棋士のほとんどは10代でプロになる。実力さえあれば、そのままのし上がっていける世界」(専門誌記者)というだけに、一口に「棋士」といっても収入の格差は大きい。
「プロ棋士の収入のベースとなるのは、1年をかけて行なわれる名人戦順位戦の対局料で、プロ入り(四段昇格)直後のクラスでは月に15万円弱。この他に、参加した各棋戦の対局料が、1局2万~30万円程度といわれる。勝ち進めばその分の対局料を受け取れますが、棋士の稼ぎだけで食べていけるのはプロ棋士約200人のうち1割程度。将棋教室での指導や将棋雑誌への寄稿などで生活費を稼ぐ棋士も少なくない」(同前)
藤井四段の場合、公式戦の対局料に加え、ネットテレビ番組で羽生善治三冠(46)に勝利した対局のような非公式戦や、メディア露出等もある。「非公式戦にも一般的な対局料程度の報酬は支払われていると思います。現時点で藤井四段の月収は50万円程度でしょう」(あるプロ棋士)とみられている。年収600万円の中学生ということになる。
獲得賞金棋界トップは、9150万円の羽生三冠。2位は7390万円の渡辺明竜王(33)、3位は5722万円の佐藤天彦名人(29)だ(日本将棋連盟発表、2016年度)。藤井四段はそうした面々に迫れるのか。