インターネットの発達によって人々の生活は大きく変わってきた。そして、仕事のやり方も根本から変わろうとしている。経営コンサルタントの大前研一氏が、ネット経由のフリーランサーとして、年間億円単位で稼ぐ人も現れた新しい経済の形「ギグ・エコノミー」について解説する。
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欧米で「ギグ・エコノミー(Gig Economy/単発請負型経済)」が拡大している。ギグ・エコノミーとは、インターネットを通じて単発の仕事を請け負う労働形態、およびそれによって成り立つ経済のことで、代表的な例はスマートフォンを活用した配車サービス「ウーバー(Uber)」のドライバー、民泊サイト「エアビーアンドビー(Airbnb)」のホスト、ネット経由で企業からデザインやコンテンツ制作、システム開発、翻訳といった業務を受注する専門職のフリーランサーなどである。
ちなみに「ギグ」は、もともとジャズミュージシャンが使い始めたスラングで、一度だけの短いセッションをやること。それが転じて「単発の仕事」という意味で使われるようになったのである。