国内

女性介護士に求婚 「交際歴ゼロ」56歳男の暴走

介護士にラブレターを渡す老人は珍しくない

 夏が近づくと、肌を見せるファッションや海辺へ出かけるときのため、むだ毛処理への関心が高くなる。むだ毛の処理は女性だけでなく男性にとっても普通のこととなりつつあるが、今ではさらに幅広い年齢層、高齢男性であっても真剣に取り組む課題のようだ。ライターの森鷹久氏が、50代になって婚活に目覚め美容に関心を払うようになった男の奮闘と、それに振り回される周囲の様子をリポートする。

 * * *
 埼玉県南部にあるデイケア施設に通う清水さん(56歳・仮名)は二年前、職場で作業中に脳梗塞で倒れたが、緊急手術により一命をとりとめた。当初は社会復帰を目指しリハビリに励んでいたが、右半身の麻痺が悪化する一方で、若くして施設に通う事を余儀なくされたという。そんな清水さんには、あるヒミツがあるのだと施設関係者が声を潜める。

「ずっと独身のあの人は、女性と付き合った経験がないらしいんです」

 施設に入居した頃は、女性職員が声をかけると顔を紅潮させ、しどろもどろで返答するか、聞こえないふりを決め込んで脂汗を流していたほどの純情っぷりで、会話も成り立たないほどだった。当然、女性介護士による食事や排泄の介助も拒絶し、数少ない男性介護士が順番で清水さんの世話をしていたのだというが、30代の女性介護士・Y美さんの献身的な介助が清水さんの心を開かせた。……と、ここで終われば美談だが、現実は明後日の方向へ進んだ。

「Y美さんは既婚で二児のママさん。とにかく気立てが良く、施設の入居者の誰からも人気でした。清水さんはそんなY美さんから優しくされた事で好意を持ち、ラブレターを出してしまった。ただ、これも珍しいことではない。清水さんの場合は、その先が予想外でした」

 女性の優しさに触れ、還暦直前に甘美な“恋愛感情”が芽生えた清水さん。はじめはY美さんにお菓子などのプレゼントを持ってきたりする程度だったが、日が経つにつれ、Y美さんではない介護士が清水さんの介助をしようとすると怒鳴りだし、Y美さんが休みの日は不機嫌になりモノや入居者に当たり散らし、ほとんど手がつけられない状態になっていった。優しいY美さんも、さすがに清水さんを敬遠しつつあったが、決定的な事件が起きる。

「Y美さんが毛の濃い清水さんにクスリを塗りながら“毛深いですね”とつぶやいたのですが、翌週には首から下の毛が一本残らず剃り上げられていました。聞けば高齢の母親に手伝ってもらい、全身を除毛したのだと…。その直後にはY美さんのエプロンが無くなる騒ぎがあったのですが、清水さんのバックから発見され、広げると汚されていました」

 気味悪がっていたY美さんのよそよそしさを見て、清水さんはこれまでの言動を反省するのではなく、自分に気があるとでも勘違いしたらしい。なんと、Y美さんの前で婚姻届を取り出すと、職員や入居者の前でプロポーズをしてしまったのだ。気丈に振舞っていたY美さんもすっかり参ってしまい、グループ内の別施設に逃げるように異動した。

関連キーワード

トピックス

第2次石破内閣でデジタル兼内閣府政務官に就任した岸信千世政務官(時事通信フォト)
《入籍して激怒された》最強の世襲議員・岸信千世氏が「年上のバリキャリ美人妻」と極秘婚で地元後援会が「報告ない」と絶句
NEWSポストセブン
モテ男だった火野正平さん(時事通信フォト)
【火野正平さん逝去】4年前「不倫の作法」を尋ねた記者に「それ俺に聞くの!?」 その場にいた娘たちは爆笑した
週刊ポスト
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 小沢一郎が吠えた「最後の政権交代を実現する」ほか
NEWSポストセブン