天皇陛下の生前退位に関する特例法案は5月19日にも閣議決定され、今国会で成立する見通しだ。そうなれば、2019年1月、今から約1年半後には皇太子さまが即位され、同時に「雅子皇后」が誕生する。
最近では精力的に公務に臨んでいた雅子さまだが、皇后になるにあたって不安もささやかれる。そのひとつが「宮中祭祀」の存在だ。
昨年4月、雅子さまは宮中祭祀に7年ぶりに臨まれた。宮中祭祀とは、皇居内にある、天照大神が祀られている賢所、歴代天皇・皇族が祀られている皇霊殿、神殿からなる宮中三殿で行われる祭儀。
「宮中祭祀で祈るのは、端的にいえば国家の安寧、国民の幸せ、そして世界の平和です。両陛下は、宮中祭祀を最も重要なお務めと位置づけられてきました」(宮内庁関係者)
ところが皇室に嫁がれて以来、雅子さまは宮中祭祀に消極的だとされてきた。昨年の宮中祭祀も、両陛下が奈良県の神武天皇陵に足を運ばれていたため、「名代」として行われたものだった。
「海外での生活が長く、帰国子女でキャリアウーマンという経歴の雅子さまにとって、宮中祭祀という“神事”はなかなか理解することが難しいといわれてきました」(前出・別の宮内庁関係者)
だが、それとは別の理由も指摘されている。宮中祭祀に「潔斎」が伴うことだ。
宮中祭祀に臨むときには、起床後すぐに歯を磨いて口を清めたあと、半畳ほどのござの上に座って両手と片肌を脱ぎ、直径40cmほどのたらいのお湯で顔、腕、襟回りを洗い清める。そして髪を結い上げ整えた後、湯殿にて、座って下半身を清めてから、桶の湯を柄杓で肩からかけて、からだ全体を清める。その後、着替えの間に移動し、古式の衣装を着用する。
これは女官の潔斎についてだが、皇后も似たような手順が踏まれると考えられる。
「こうした潔斎を、皇后は女官に全身をさらし、女官の手によって受けるのです。複雑な手順を遵守するだけでも療養中の雅子さまにはかなりのご負担でしょうが、それを他人の手によって受けるというのは、精神的にも大変な面があるのではないでしょうか」(前出・別の宮内庁関係者)
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2017年6月1日号