天皇陛下の生前退位法案が19日、閣議決定された。「御代がわり」は刻一刻と実現に向かうが、平成皇室にとって「次代へのバトンタッチに不安なし」とは言い切れない。雅子皇后が誕生する予定だが、不安に思う声も聞こえてくる。
皇太子妃雅子さまの「おひとり公務」。お年を召されてからも美智子さまは、おひとりでコンサートや美術館へ足を運ばれてきた。一方で、皇太子さまに同行されるのが雅子さまの公務のスタイルだ。
「雅子さまは、この3月に主婦の発明品を展示する『なるほど展』におひとりで足を運ばれましたが、プライベート扱いで報道陣は入れませんでした。多くの人に活動を見てもらうことは、皇族の大きな務めの1つ。報じられれば足を運んだ先の奨励にもつながります。『おひとり公務』も皇后としての重要な役割といえるでしょう」(宮内庁関係者)
世間の目に触れなくとも、皇居での多くの公務を抱えられている。そのうちの1つが、皇居での勤労奉仕団(※)への会釈。雅子さまにとって2つ目の難問となる。
(※皇居や赤坂御用地の除草、清掃、庭園作業を行う団体。条件はあるが、希望者が参加できる)
「雅子さまは赴任大使との接見などは行われていますが、勤労奉仕団は難しい。奉仕団に参加されるのは、皇室に深い畏敬の念を抱いているかたも多いんですが、逆にいえば皇室に興味津々。それが雅子さまには『好奇の視線』と感じられてしまうようなのです」(前出・宮内庁関係者)
そして、最後の難問は「アジア訪問」だ。
「アジア諸国は、『祈りの旅』で何度となく両陛下が足を運ばれている地です。美智子さまは皇后として計6か国を訪れていますが、雅子さまは皇太子妃としてまだ一度もアジアを訪れていません。ヨーロッパには行かれているのですが…」(皇室記者)
この4月には初のアジア訪問となるマレーシアでの公務が予定されていたが、結局、同行は中止された。
「マレーシア訪問には雅子さまの信頼も厚い元東宮大夫の野村一成氏が随行し、『雅子さまシフト』が敷かれていたのに残念でした」(前出・皇室記者)
国民の多くは、期待と不安の入り交じった感情で、雅子さまを見つめている。
「美智子さまの“国母”としてのお姿に、多くの人は親しみを覚え、敬愛しています。ですが、『皇后像』に正解もなければ、雅子さまが美智子さまとまったく同じように振る舞わなければならないという決まりがあるわけでもない。
民間出身初の皇太子妃、そして皇后として、美智子さまは新たなスタイルを確立されました。雅子さまも、皇太子さまとご一緒に新たなかかわり方を模索されてもよいのではないでしょうか」
新時代の幕開けは、刻一刻と迫っている。
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2017年6月1日号