昨年から有名人の不倫が頻繁に発覚しているが、40~70代の性事情を書いた日本性科学会セクシュアリティ研究会『セックスレス時代の中高年「性」白書』(2016年)によると、一般的にも不倫に積極的な女性が飛躍的に増加していることが調査で明らかになっている。
「結婚中」の男性経験、つまり「不倫」は以前よりも増えている。
性道徳の変化は顕著で、20~30代女性向けの婚活サイト『愛カツ』が今年3月に行った調査では、「4月から新しく始めようと思うこと」の第1位になんと浮気・不倫(31%)がランクイン。昨年の「ゲス不倫」騒動以来、“不倫は悪だ”という風潮があったが、フタをあけてみれば若い世代は憧れている人が多いというのだから驚かされる。
若い世代だけではない。前出の『中高年「性」白書』によると、「不倫しても家庭に迷惑がかからなければいい」と答えた女性は、2000年から2012年の間に40~70代の全世代で増加している。
コンドーム大手「相模ゴム工業」の調査でも、6人に1人が結婚相手・交際相手以外にセックスの相手がいると答えている。
60代女性の経験人数「平均3.2人」という数字の内訳も興味深い。相模ゴム工業によると、平均3.2人の内訳は1人が40%、2人が18.4%、3人が17%、4~9人が18.8%、10~19人が4.5%、20人以上が1.3%だった。
若い頃ではなくアラ還となってから「経験人数」を増やしている人も少なくないという。『セックスレス時代の中高年「性」白書』の共著者で、日本性科学会セクシュアリティ研究会代表の荒木乳根子さん(臨床心理学)が解説する。
「団塊の世代以降の60代女性はちょうど男女関係のあり方や性意識が変化した過渡期の世代じゃないでしょうか。『夫だけを貫く人』と、社会の変化に呼応して『子供の手を離れたし、人生もうひと花咲かせたい人』と二極化が起きているようにも思います。
欧米には夫婦で行動することが多い『カップル文化』がありますが、日本の夫婦にはありません。60代になると外で働いていた夫がリタイアして四六時中家にいるようになり、“夫婦間の再調整”が必要になりますが、それがなかなか難しく、夫婦のすれ違いが顕在化することになります。それまでの性を含めた夫婦関係がよくないと感じ、解放されたい妻は家庭外に恋愛を求めることになるかもしれません」
一方で、未婚女性の処女が増えており、30代後半の未婚女性の3人に1人が経験人数ゼロ。若い世代の方が二極化は深刻かもしれない。
経験人数は居住地によっても差がある。経験人数が最も多いのは高知県の12.4人で、沖縄県の10.2人、愛知県の10.1人が続く。5.3人で最下位の埼玉県とは最大7人も違う。
※女性セブン2017年6月1日号