2030年、日本は「世界最長寿国」の座を韓国に奪われる──。今年2月、世界的に権威あるイギリスの医学誌『ランセット』に衝撃的な論文が掲載された。
英公立研究大学「インペリアル・カレッジ・ロンドン」と「WHO(世界保健機関)」が世界35か国の寿命などを調査・分析。その結果、2030年に韓国が「世界一の長寿国」になると予測したのだ。論文の作成メンバーであるジェームズ・ベネット博士が解説する。
「この平均寿命は各国の死亡率の経年変動と、ある時点で生まれた人を追跡した『出生コホート調査』による死亡率を、統計上の公式に当てはめて算出したものです。
その結果、2030年時点に生まれた新生児では、韓国の女性が世界で初めて平均寿命が90歳を超え(90.82歳)、男性も84.07歳で世界一になることが予想されます」
一方、「長寿大国」としてランキングトップに長く君臨してきた日本は女性(88.41歳)が韓国、フランスに追い抜かれ3位。男性(82.75歳)は現在の5位から11位に転落すると予想されている。ベネット氏が続ける。
「韓国は血圧とBMI(肥満指数)の低さが世界でもトップクラスです。特に高血圧患者が欧米に比べて圧倒的に少ないのが特徴で、韓国は“世界一の血圧正常国”と言えます。また女性の喫煙率も低く、いずれも平均寿命の延びに影響したと考えられる」