北朝鮮のミサイルや核兵器開発をめぐる中国の制裁強化で、北朝鮮経済が苦境に陥っている。中国が北朝鮮産石炭の輸入を停止したことで、貿易による外貨収入が激減しているほか、中国から北朝鮮への原油輸出もほとんど停止状態となり、北朝鮮国内の石油価格もほぼ2倍に値上がりするなど市民生活にも大きな影響が出ている。
国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会のHPによると、北朝鮮の石炭輸出量は今年1月と2月で、それぞれ144万トンと123万トンで、輸出相手国は中国とみられる。
ところが、中国は2月18日、安保理制裁決議に基づく措置として、同月19日から年末まで北朝鮮からの石炭輸入を停止すると発表した。その後に北朝鮮から到着した石炭は送り返したとされる。
このため、同ホームページによると、3月に北朝鮮から石炭を輸入したと報告した国はゼロで、中国が2月に北朝鮮からの石炭輸入停止を決めたことから、北朝鮮は石炭の輸出先を失ったようだ。
中国の突然の石炭輸入禁止措置について、北朝鮮は猛反発。なぜならば、北朝鮮の対中輸出額の4割以上は石炭で占められているからだ。2015年の北朝鮮の対中輸出総額は26億ドルで、そのうち石炭の輸出額は11億ドルと全体の42%強だ。昨年は同じく25億ドル中12億ドルで48%と5割にも迫っており、北朝鮮の重要な輸出商品で石炭の禁輸措置によって、北朝鮮経済に大きな影響が出ることが予想される。