昨年、初のクライマックスシリーズ進出を果たした横浜DeNAベイスターズ。今年はOBの高木豊氏だけでなく、元ヤクルトの宮本慎也氏や元西武監督の伊原春樹氏まで優勝予想するなど前評判が高かった。しかし、5月下旬になっても勝率5割を越すことができず、苦戦している。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で4番を務めた筒香嘉智が開幕から1か月近くホームランが出なかったり、開幕投手を務めた石田健大が左ヒジの違和感で戦線離脱したりするなど投打の軸が揃わない状態が続いている。野球担当記者が話す。
「それ以上に気になるのは、センター・桑原将志とショート・倉本寿彦の不振です。2人とも守備では貢献していますが、打率は2割そこそこ。それでも、ラミレス監督は『自分がレギュラーに抜擢した選手は使い続ける』と明言。しかも、桑原は1番から動かさないことまで宣言しました。データを重視し、相性が良ければ左投手に左の代打を送るなど非常に柔軟な選択をするラミレス監督だけに、頑固さが余計に目立ちます」
昨年、チームの飛躍に欠かせない存在だった2人だが、まだレギュラーを獲得して2年目の選手。関根大気や柴田竜拓といった伸び盛りの若手も控えているだけに、結果を残していない選手を固定することはチームの士気にも影響しそうだ。
「選手は監督から信頼されることほど嬉しいことはない。2人は意気に感じているでしょう。一方で、ラミレス監督はかなりの策士。表面上は信頼を謳いつつも、スタメンをいじる時期を考えていると思います。信頼していると言い続ければ、打てなくて先発落ちしても、監督と選手の信頼関係は保たれるし、2人は監督のために頑張ろうとなる。場当たり的な発言ではなく、将来を見据えてのコメントを残しているのです。このまま不調が続けば、6月になったらスタメンから外す可能性は十分あると思います」
2年前、センターラインを固定できなかったDeNAはオールスターを前に首位で折り返すも、急失速し最下位に終わった。昨年は捕手・戸柱恭孝、ショート・倉本、センター・桑原がレギュラーに定着したことで3位に浮上できた。そのうちの2人が不振に陥っている今季、ラミレス監督はどのような決断をするのだろうか。