犬や猫と同様、ペットとして愛されているのがインコやオウムなどの鳥だ。そんな鳥を愛する鳥取県の主婦から、お悩みが届いた。
「わが家では、セキセイインコとの“おしゃべり”が日課となっていますが、まだ、簡単な言葉しか話せません。上手な言葉の覚えさせ方を教えてください」(鳥取県・ゆらら・45才・主婦)
そこで、うさぎやフェレット、鳥や爬虫類などを専門とする、みわエキゾチック動物病院院長・三輪恭嗣さんが、鳥の生態について解説する。
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インコやオウムは、人間の言葉を発したり、口笛や目覚まし時計の音をマネするなど、“おしゃべり”が得意です。
しかしこれは、人間のように脳で考えて言葉を発声しているのではなく、肺の上の鳴管(めいかん)という器官を震わせ、音をマネしているにすぎません。つまり、“おしゃべり”は“鳴き声”なんです。
◆メスよりもオスの方がおしゃべり上手
では、なぜオウムやインコは、人の言葉をマネするのか。それは、鳥の習性が関係しています。鳥の中には、フクロウのように単独で生活する鳥と、インコやオウムのように群れやつがいで生活する鳥がいます。後者は、相手とコミュニケーションをとる手段として、鳴き声で呼び合います。つまり、インコやオウムは、人間(飼い主)を群れの仲間やつがいとみて、好きな相手とコミュニケーションをとろうと、人間の言葉を“話す”のです。
しかし、すべてのインコやオウムが、おしゃべり上手というわけではなく、得意・不得意があります。例えばセキセイインコの場合、長文を覚えるのが得意で、昔話を話せるようになる子もいます。一方、オカメインコは長文が苦手。言葉よりも口笛やカメラのシャッター音などの“音マネ”が上手です。
ヨウムという大型インコは知能指数が高く、会話が成り立つようなケースも。また、一般的に同じ種類の鳥でもメスよりオスの方が、言葉を覚えるのに向いているといわれています。
◆女性の声の方が覚えやすい
言葉を覚えるには、年齢が若ければ若いほどよく、かつ手乗りで育てた方が、飼い主との関係が密接になるので、早く言葉を覚えてくれます。教える時は、人と鳥1対1で行うこと。さらに、教えるのは同じ人が行った方がいいでしょう。女性の声の方が覚えやすいともいわれています。
覚えさせるには、とにかく何度も同じ言葉を繰り返すことが大切。犬や猫のしつけのように、ごほうびとしておやつをあげる必要はありません。“言葉“でコミュニケーションがとれると、お互いの愛情も深まるはず。鳥の性質を踏まえつつ、根気よく教えてあげてください。
※女性セブン2017年6月8日号