国内

夫婦別姓の意識調査 賛成62%「同姓強制する国は珍しい」

一進一退を繰り返す夫婦別姓問題

 法的に夫婦同姓を規定している国は日本だけなのをご存じだろうか。とはいえ日本でも、“結婚後、女性が男性の名字を名乗る”ことを疑問視する声が1990年代以降高まり、選択的夫婦別姓の論議が広がってきていた。

 しかし2015年、別姓を選べず苦しむ女性たちの訴えに対し、“同姓は違憲に当たらない”とした最高裁判所の判決が話題になり、この問題は社会的にも一進一退を繰り返している。

「会社でも合併したら1つの社名を名乗り、それがアイデンティーになります。家族も同じ。現状の法律は、夫婦の話し合いでどちらかの名字にするという極めて自由度の高いものです」と語るのは、家族問題コンサルタントの池内ひろ美さん。

 4万件に近い離婚相談を受けてきた池内さんは、「名字さえ一緒にできない夫婦は、日常のさまざまな問題にも対処できない」と主張。さらに、別姓による子供への影響も懸念する。

「名字が違うと家族同士の結束力が弱くなります。子供の成長過程においてはマイナスになるのでは」(池内さん)

 一方、前出の裁判で原告側弁護団の事務局長を務めた弁護士の打越さく良さんは「同姓を否定するわけではなく、別姓も選択肢の1つにしてほしいだけ」と訴える。

「現在96%もの夫婦が夫の姓に。泣く泣く自分の姓を諦める妻がいるのです。他国では別姓夫婦の子供に問題が生じているということもないのに」(打越さん)

 女性の社会進出や家族のあり方が多様化する中、改めて夫婦の名字について、考える時期なのかもしれない。

 ちなみに、女性セブン読者からなるセブンスクラブ会員(全国の20~80代の男性・女性)461名を対象に、「夫婦別姓」に賛成か反対かをアンケート調査したところ(実施期間 2017年4月7~12日)、62%が賛成、38%が反対という結果となった。

 賛成意見としては、

「2度、離婚しました。その度に名前が変わるので、通帳などの名義変更がとても面倒。3度目の結婚は思案中です」(61才・自営業)
「世界的にみても同姓を強制する国なんて珍しい」(63才・会社員)

 などの声。一方、反対側からは、

「今まで同姓で困ったことがない」(76才・主婦)
「周りの人から家族だとわかってもらえず、家族の概念が崩れる気がする」(52才・主婦)

 といった意見が寄せられた。

※女性セブン2017年6月8日号

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン