近頃、若者たちの間でひっそりと流行っているのがペアルックだ。結婚した神田沙也加(30才)と村田充(39才)は結婚披露パーティーで白青ボーダーのペアルックを披露。2015年には当時交際中だったきゃりーぱみゅぱみゅ(24才)とSEKAI NO OWARIのFukase(31才)がペアルックツーショットをSNSで公開した。
仲がいいカップルの微笑ましい姿を切り取るペアルックだが、そこに潜む“陰”があるのも事実。心理学者の富田隆さんは、服装は心理学的に「仮面」なのだと語る。
「親の前では娘のお面、私であれば職場での教師としてのお面など、その場に応じてかぶりわける。それがユングのいうペルソナ=仮面です。ペアルックではカップルが同じ仮面をかぶること。制服と同じで、ふたりが一心同体であることを表しているのです」
私たちは特別な絆で結ばれている──ある種の同調傾向のなかには分離不安の心理が隠れている。
「一心同体であることを願うということは、裏返せば、自分たちはそうではないことがわかっているんです。カップルは同じ仮面をかぶらなくても、つまり同じ服を着なくても、うまくいくときはうまくいく。一心同体じゃないと感じている人は、お揃いの服で補おうとする傾向があるんです。その同調がはた目には“ごっこ”に映って、『イタい』とこっけいに感じる人もいる」(富田さん)
男性はペアルックを「恥ずかしい」「みっともない」などと受け入れ難い傾向にある。一方女性は、テレサ・テンが、“あなたの色に染められ”と歌ったように、服も一緒であることが、ある種の“安定剤”になる人も多い。
「ペアルックをしたいと願う女性を受け入れる男性は、愛情深い傾向にあると思います。彼女が喜んでくれるから、大切に思っているからのるんですから」(富田さん)
◆「一生貞操を守る」 当然の前提をわざわざ誓う危うさ
カップル・コンサルタントの西郷理恵子さんは、ペアルックの心理として「独占欲」や「一体感」を挙げ、沙也加のブログにその一端をみたと語る。
《『お花はぼくが選ばせてもらいました。白いユリの花言葉は純潔です。ぼくは一生さやに貞操を守ると誓うから、さやもそうしてくれますか? ぼくと結婚してくれてありがとう。』と膝まづいて渡してくれて、その緊張した面持ちとまっすぐな言葉と、憧れていたようなシチュエーションに、本当に本当に感動しました》(原文ママ)
5月13日、沙也加は、夫からのサプライズについてそう綴った。
「芸能人はもちろん一般人にも不倫は身近になっていますが、貞操を守るというのは、結婚するなら当たり前。それなのにわざわざ確認するなんて、村田さんは自信がないのかなって思いました。それに共鳴している沙也加さんにもびっくり。一生の愛を誓うより、貞操の方が重要なのかと驚きました」(西郷さん)
※女性セブン2017年6月8日号