ビジネス

「もったいない」精神で生まれた板ガラスの硯 その試行錯誤

端材から生まれた、繊細で美しい“すみだモダン”

 コップや小物などのガラス製品は、原料となるガラスを溶かして作られる。だが、窓ガラスや鏡には、“板ガラス”という、加工したものが使われている。

「大きな板ガラスを、指定のサイズに合わせてカットして使うため、どうしても端材が出てしまいます。これらは、ほかに使い道がなければ産業廃棄物として、お金を払って廃棄しなければなりません」

 そう話すのは、『尾崎製鏡』(東京都墨田区)の代表・尾崎由雄さんだ。

 ガラスとして欠陥があるわけではないのに、ほかに使い道がないからと、繊細で美しい板ガラスを廃棄してしまうのはもったいない。そこで、これを利用して、何かを作れないかと考え生まれたのが、「板ガラスの硯」(6480円)だ。

「以前、油絵を描いていたときにガラスのパレットを使っていたことを思い出し、水彩絵の具で使うパレットを作れないかと思いました。しかし、絵の具を入れる窪み部分を複数作らねばならず、難しい。硯なら、海といわれる窪み部分(墨池)がひとつだけ。こちらの方が簡単だと思ったんです」(尾崎さん・以下同)

 とはいえ、墨をする“丘”といわれる部分から、海にむけての曲線や、海の深さ、墨がきちんとすれるようにする加工方法などで試行錯誤を繰り返し、3か月後に完成。

 墨をする部分は、研磨剤となる砂を吹きかけ、表面をすりガラスに削る“サンドブラスト技法”で加工。

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン