6月21日発売の田原俊彦の新曲『フェミニスト』の予告映像が公開された。同曲の作詞は、山口百恵『横須賀ストーリー』『プレイバックPart2』、中森明菜の『DESIRE -情熱-』、郷ひろみの『How many いい顔』『ハリウッド・スキャンダル』などの大ヒット曲を生み出してきた阿木燿子氏が担当。阿木氏の田原への楽曲提供は2001年の『Dangerous Zone』以来、16年ぶりとなる。
2人は30年前、女性誌の対談で初対面。阿木氏は作詞に取り組む姿勢について、こう語っていた。
〈思い入れが激しいから、朝から晩まで、その詞のことしか考えないし、それを歌う歌手の写真を、家のどこかに必ず貼っておくし、決してダブって仕事しないし、もう、それしか考えない。でも、詞を書くのって大変。あんまり好きじゃないな(笑い)〉(『CanCam』1987年10月号より。以下〈 〉内同)
イヤになるほど徹底的に集中して書き上げるからこそ、名曲が生まれてきたのだろう。芸能記者が話す。
「阿木氏の夫である宇崎竜童も、田原に楽曲を提供した過去を持っています。1986年、阿久悠氏とのコンビでシングル『ベルエポックによろしく』『あッ』、アルバム『目で殺す』を担当。デビュー以来、『あはははは!』と明るく笑うイメージの強かった田原から『男らしさ』という新たな一面を引き出しました」
曲は大ヒットこそしなかったが、田原は翌1987年に雑誌『an・an』で「寝たい男」調査の1位に輝き、ドラマ『ラジオびんびん物語』で初めての三枚目役に挑戦。1988年には『教師びんびん物語』で熱血教師・徳川龍之介を演じ、全話平均視聴率22.1%を獲得。フジテレビ「月9」の礎を築いた。主題歌『抱きしめてTONIGHT』は、人気歌番組『ザ・ベストテン』『歌のトップテン』で年間1位に輝く大ヒット曲となった。阿久氏と宇崎が追求した『男らしさ』が大ヒットの布石となったのだ。
「宇崎が未開拓分野を掘り下げたように、阿木氏は“大人の男の魅力あふれる女性賛歌”と謳う新曲『フェミニスト』で、これまであまり焦点の当てられなかった田原の優しさを抽出するのではないでしょうか」(同前)
前出の女性誌で対談した時、『ラジオびんびん物語』が始まったばかりの田原が〈このドラマでどこまで飛躍できるか、すごく心配だけど〉と漏らすと、阿木はこんな言葉を送っている。