ダニとともに、私たちの身近にいて、害を及ぼす虫がノミ。温暖で湿度の高い場所を好むため、室内のカーペットやソファ、ベッドの隙間などに生息している。10匹メスがいたら、1か月で26万匹になるという。ライオンの研究開発本部で害虫について研究する“虫博士”こと亀崎宏樹さんは、こう語る。
「ノミは犬や猫に寄生することが多いので、ペットのいるご家庭はノミのいる確率も高い。ペットの寝る場所に、細かい砂粒のような赤黒い物体が落ちていたら、ノミがいる証拠。これは、ノミの“血糞”で、幼虫のエサになるため、血糞あるところには必ず卵もあります。ペットのベッドや小屋はこまめに掃除機をかけ、水洗いできるものは週に1度は洗いましょう」(亀崎さん)
白金高輪動物病院総院長の佐藤貴紀さんは、ペットのノミ被害と対策について教えてくれた。
「猫も犬も、ノミの唾液によるアレルギー性皮膚炎、下痢や体重の減少、貧血などの症状が出るので、見つけたらすぐ動物病院へ。最近ではノミに効く内服薬を処方するのが主流です」
ノミが発生した室内は、有機リン系やカルバメート系殺虫剤を散布し、エアゾール剤をペットのいる場所と周辺に散布。しばらくしてから掃除機をかけるのが有効だという。
「ノミの生息状況にもよりますが、数日から数週間、定期的に行うのが効果的です」(佐藤さん)
ペットを飼っていなくても、近所に野良猫や野良犬がいる場合は注意が必要。
「犬や猫は、土と戯れる習性があります。猫や犬についていたノミが土に落ちると、ガーデニングをする人も吸血されます。外での作業は夏でも肌の露出を抑えた服装で」(亀崎さん)
※女性セブン2017年6月8日号